毎年11月に、日本脚本家連盟からの斡旋で、健康診断を受けています。
その中でちょっと厄介なのが検便です。
予め小さな薬剤入りの容器に差し込まれた検体のスティックが届けられ、これを容器から引き抜き、先に付いた溝に便を絡ませ再び容器に差し込む。その要領で二日分採取して当日持参するわけですが、洋式トイレでこの作業をするのはなかなかに大変です…。
便器の端の方にペーパーを敷いて、うまくそこに落とすようにと説明書きにはありますが、端に腰かけてきばる時、つられて尿が出てしまえば、便はたちまち水溜りのところへ流れ落ちていきます。
となると、和式のように前からまたいでウンチングスタイルをとるのが賢明です。まず長めに切ったペーパーを便座に挟み、ハンモックのようにしておいて、そこへめがけて便を投下する。結局これが一番うまく便をキャッチできる方法だと思い至りました。
しかし、このやり方だと、作業中は下半身を完全露出することが必要になります。素早く採取しないと便が滑り落ちるかもしれないので、作業の間は本当に間抜けな姿となり、「今この瞬間に、宅急便よ来るな! 地震よ起こらないでくれ!」と祈らずにはいられません。
しかし、最近になって「検便なんてどうってことはありませんよ。楽なもんです」という、検便名人に話を聞くことができました。この人は普通に便座に座ると、左手にペーパーを載せ、腰を浮かせて肛門下に持っていき、掌で便をキャッチするというのです。
そうして便が載った左の掌を、座ったまま腰を浮かせ、目の前に持ってきて、予め右手に持っていた検体のスティックで、悠々と便を採取する…。
なるほど、確かにこうすれば楽かもしれませんねえ。
いや、しかし便が軟らかかったらどうなるんだ。おれの便は掌に載りきれるようなケチな大きさじゃない…。
色んな想いが頭をよぎり、結局今年も下半身露出の上、前向きにするという、例年通りの方法で便を採取し、晴れて健康診断に臨みました。
聞きたくもない話でしたね。ごめんくさい…。
(平成29年11月22日)







