どこかの町では、エスカレーターを歩いてはいけないという条例が出るようです。片側で立ち止まる人にとっては、横を歩かれると迷惑なので、歩かないのがマナーだとか。
わたしはこれにどうも納得がいかない。
歩く人が、立ち止まっている人に迷惑がかからないように歩くマナーを、身につけたらよいだけのことではないのか。
長い間時をかけて、エスカレーターは急ぐ人のために、片側を空けましょうというマナーを国民は作ってきたわけです。その方が効率がよいと、多くの人が思ったから自ずとそれが慣習になったわけです。
それをマナー違反だと、誰が決めつけることができるのでしょうか。
急いでいるなら階段を上ればよいと言う人がいるが、エスカレーターを歩くからこそ、楽に早く上に行けるのです。
エスカレーターはそもそも片側に力が集中すると壊れやすい、というならもう少し幅が広くて頑丈なのを作ってくれるか、または、一人しか立てないエスカレーターを何列か作ったらよいではないか。
さすがに、一人用に乗る時は、前の人が立ち止まっていても文句は出ないし、速度も鈍行急行二種類作ってくれと、ほとんどの人が思っているはずです。
「立ち止まる人の肩身が狭いから歩くな」というのは、それはそれで傲慢に思えます。
日々忙しく暮らし、弱者の福祉に使われる税金を納めている世代が、使いやすいようにしてあげるのも、思いやりではないか。
弱者を慮るのは大事だし、当たり前のことです。しかし、どうもこのところ、弱者やマイノリティーが、「優しくされて当たり前」と言わんばかりのような気がします。
多くの人がそれを窮屈に思いつつ声をあげられない。まったく住みにくい世の中になりました。
こういう不満がたまると、人はかえって弱者やマイノリティーに対して攻撃的になったり、排他的になるのではないかと心配です。少なくとも、そんな条例を出す町に住んでいなくてよかったと、わたしは思っています。
(令和3年10月18日)







