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かもてぇ〜な

2日で58歳になってしまいました。オッサンは、オジンに向かって一直線でありますが、まだまだ働かねばならないようです。

このところは舞台の仕事がやたら忙しくて、それはそれでありがたいことなのですが、演出などというものは、芝居も少し落ち着きカンパニーが盛り上がりをみせ、和気あいあいとする頃に現場から離れます。

「お前らは楽しそうでいいよな!」

などと拗ねた想いを胸に、わたしなどはその日からただ一人で机に向かい、執筆に励まねばなりません。

芝居をしている間に、あれこれ原稿が溜まりますので、もう外にも出られません。そんなわけで、

「ああ、おれは孤独だ!」

このところは仕事場で日々叫んでいるわけですが、さる6日に田辺聖子さんがお亡くなりになったとのこと。

大阪出身の私にとっては特に偉大な作家で、先生が書かれた大阪弁の「私本・源氏物語」は、私を古典文学の入り口に連れて行ってくれた名著でありました。

先生は生前、男の人の最大の希望は「かまってほしい」ということだ。大阪弁で言うと「かもてぇーな」。それを言いたいがために生きているのだと語っておられたとか。

なるほど。言いえて妙だ。正しく今のわたしの気分だ。

「誰かおれを、かもてぇーな!」

(令和元年6月10日)

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